☆香月の庵リターンズ☆
原作アラミススキー。「アニ三アラミスは原作アラミスの好みのタイプだよね!」というコンセプトのもと、原作アラミス×アニ三アラミスという異色カップリングをネットの片隅で限りなく追求しています。あと原作考察(ほぼアラミス関係)。
「ダルタニャンとミラディ」感想③
- 2012/04/08 (Sun) |
- その他三銃士 |
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「青年編」読み終わりました。
またまた長くなってしまったので折りたたみます。後半アラミスばっかです。つうかアラミスしか見ていません(笑)。
「続きを読む」からどうぞ。
拍手、ありがとうございました!!
シュブルーズ公爵夫人がガストン殿下とシャレー侯爵、コンデ公爵達を抱き込んでリシュリュー暗殺計画を画策…ってどこかで聞いたと思ったら史実か!!
なんで「少年編」と「青年編」って分け方してんだろうと思ってたんですが、そっかー、ダルと三銃士が出会ってからラ・ロシェルの戦いまでって結構時間経ってたんですね。
ダルタニャンを巡る痴情のもつれが激しい…。ラ・ロシェルでのダル狙撃未遂事件と毒ワイン事件はケティの仕業かよ!出て来たばかりのときは、宮廷でのドロドロとした女の戦いが繰り広げられる中での唯一の癒し系とばかり思っていたら何てこと!!確かに原作でのダルのケティへの仕打ちはあまりと言えばあまりと思ってたけど、そこまでやっちゃうか!
シュブルーズ夫人がケティに、「飲ませすぎると死んじゃうからくれぐれも注意してね」って睡眠薬渡したけど、ケティがコンスタンスやミレディのこと快く思ってないことを知っていて、わざとそういう言い方したように思える…。どうなんだろう?
しっかしどうしてこう、宮廷での女の戦いってのは古今東西問わずドロドロ陰惨としているんでしょーね(「チャ○グムの誓い」とかちょっと思い出した)。アンヌ王妃なんて出て来た当初は、ロマンチックな恋に憧れる夢見る乙女だったのに、しっかりシュブルーズ夫人色に染まってドンドン嫌な女になって行く…怖いよ!
門限破りの言い訳は神父様(アラミス)担当。門番を丸め込んで…って丸め込んだんかい!!
サン・シェルヴィエの堡塁での「敵が射程内に入ってきたら応戦する。弾薬がある限り射ちまくって、それでもなお生き残った奴が攻めて来たら、塹壕の中に入るのを待ってグラグラになっているその辺の壁を頭の上に落として一気にせん滅してしまおう」作戦の発案者がアラミスになってる…。原作ではアトスだったよね?確かに原作第3部のベル・イールでの攻防考えると、こういうこと考え付くのはむしろアラミスって気はするけど、アトスファン的にはどうなんだろか。見せ場の1つをアラミスにとられちゃって。私はアラミスファンだから別にいいんだけど。
それにしても後半、アラミス目立ってるよな~大活躍だよな~。
サン・シェルヴィエに行くとき「生きて戻れるかなぁ」というポルトスに「神は修道士志望の銃士の味方だ。そしてその友人の味方にもなってくれるはずだ」とか言ってるし。思わずポルトスと一緒に「自分中心かよ!!!」って心の中でツッコんじゃったよ!
ナプキン取りに行ったアトスを心配するダルに
ポル「もし(アトスに)弾が当たったらアラミスが告解をしてくれる。プロだぜ」
アラ「間違いなくアトスを天国に送ってやるから、安心してくれ」
ってそーゆー問題じゃねー!!!!(爆)。
つーか「間違いなくアトスを天国に送ってやる」って、一歩間違えればお前がアトスを殺っちゃうみたいじゃないか!(笑)
あとロシュフォールが落とした「アルマンティエール」のメモを買い取ったり(原作ではダル)。
そして極めつけはクライマックス。
こいつホントに民衆裁判を策と機転で回避しやがったーーーーー!!!!!
いや、「回避」と言っていいのかどうか分からないけど!ヘーキな顔して裁判に参加して、もっともらしい理由付けて処刑には立ち会わなくて、裏でこっそり手ぇ回してミレディ助けやがったよ!アトスとポルトス騙しやがったよ!ていうかアトスもポルトスも「アラミスには詐欺師の才能がある」とか言ってたんだから少しは疑え!!(笑)
ミレディ生きてたことが分かってもどっからも文句の言われない方法を考え、しかもその後ミレディが全うに生きていける方法までご教授しちゃうし、非の打ちどころがねぇ。さっすが悪いこと(今回は悪いことじゃないけど)を正攻法でやってのける点にかけては右に出る者のない人だけはあるよね!!
しっかしなんだって今回ミレディ助けようなんて気になったんですかね。全然そんなことする人には見えないんだけど。策士の血が騒いだとか?(笑)「これにはもっと別の要素がからんでいる」だの「パリに戻れば情報が入る。裏付けはパリで取ろう」だのやたら自信満々だし…宮廷内の様子、ぶっちゃけアンヌ王妃とシュブルーズ夫人の陰謀奸計について、ある程度情報が入っていたとしか思えない。実は陰でこっそりボアトラシー夫人がアラミスに伝えてたとか?ミレディがダルを狙うのは「焼印を見たから」と言うダルに「アトスだって見てるのに、君だけ狙われるのは不自然だろ」だの「ミレディは枢機卿のスパイだ。腹を立てたからってそう何度も殺害計画練るほどヒマじゃないだろう」だのいちいち鋭いから、元々何か自分の中で腑に落ちない所があったのかなー。
で結局裏付けが取れたのかどうかの描写というのがないのですが、シュブルーズ夫人が黒幕だったことを突き止めて、以降彼女のことを警戒するようになって、30年くらいして「さあ咬むがいい!喰いつくがいい!マムシめ!!」とか言ってコルベールと一緒になってフーケ様を貶めようとしている夫人と敵対すればいいと思うよ!(笑)
ウィンターさんは性格の悪いホモだしシュブルーズ夫人はあんなだし、アンヌ王妃は真っ黒に染まっちゃうし、コンスもケティも怒りと嫉妬に駆られてどんどん性格悪くなってくしで(いや、最後にコンスは改心したっぽいけど)、もう皆怖いなぁ行く末心配だよなんて思ってたんですが、花形とはいえ一介の銃士風情の、しかも停学中(休学中?)の神学生の分際でケティに司法取引迫ったり(「身の安全を保証するという条件付きの自白」って…一介の銃士がそう簡単に女中さんの身の安全保証できるもんなの!?)、「スパイが命令以外の行動をするはずがない」なんてことを知ってるお前が一番末恐ろしいわ!!!あと30年くらいしたら平気な顔して国王の1人や2人すり替えちゃいそうな気がする。そんな気がする(笑)。
この話ではミレディは明らかに「白」だってのが分かっているのに、ダル狙撃未遂事件も毒ワイン事件もコンス殺害も処刑も全部アトスの思い込みによる「ミレディの仕業」前提で話進んでいくから読んでていたたまれなかったです。原作読みながら自分でそういうこと妄想する分には全然へっちゃらなんだけど、本当に「それ前提」で話進められるのはかなりキツかったなー。その分最後のアラミスによる大どんでん返しはかなりスカッとしたけど(「アトスのミレディに対する判断は信用できない」っていうのは私もずっと思っていたので、その点も含めてものすっごくスカッとした)。
…で、助かったミレディはダルと新しい人生を歩むことになったんだけど、あれ?モードントは?なんかこの流れだとウィンターさんの稚児にさせられそう養子にさせられそうなんだけど。大きくなったモードントが“世間上の真実”(お母さんは正当な裁判受けずして不当に処刑された)を知って20年くらい後に四銃士+ウィンター卿+処刑人に復讐企てそうで怖い(笑)。一応原作第2部につながる余地も残しているのかなー。
総じて、ダルミレの人や「諸悪の根源はリルの首切り役人」って思っている人、「第1部は男性視点過ぎて抵抗がある」っていう人、アトスの価値観およびミレディに対する仕打ちを疑問に思っている人、第2部・第3部ばりに目立っているカッコいいアラミスを見たい人、腹黒いシュブルーズ夫人を見たい人にはいいかもしれないけど、アトスファンとかダルコンの人にとってはどうなんだかな…という印象でした。
っつーかこのアラミス完全に第3部仕様だろ(笑)。これ読んだ後だと原作の1部アラミスはネコ被っているようにしか見えねー!!
なんか色々良く分からない部分もあったけど、とりあえず私はそれだけで大満足でしたよ。
いやーもうこの設定で第2部、第3部読みたいわー。
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