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☆香月の庵リターンズ☆

原作アラミススキー。「アニ三アラミスは原作アラミスの好みのタイプだよね!」というコンセプトのもと、原作アラミス×アニ三アラミスという異色カップリングをネットの片隅で限りなく追求しています。あと原作考察(ほぼアラミス関係)。

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勝手にアラミス考②

中文版ダル物アラミスです。同じ原作なのになんで別項目にしたのかというと、彼のおかげで私の中の「原作アラミス像」が大分補正されたから。

それまでの私の中の原作アラミス像って、講談社/ブッキング版のいらん登場人物紹介(笑)のせいで、あまりキレイなイメージじゃなかったんだよね。つまり、すり替え計画を考えたのは本当にただの私利私欲であって、そのためにフーケ様に取り入りポルトスを引き入れて利用した…みたいな。

1部では色々隠し事はしていたけど人畜無害wな文学青年で、2部でも色々隠し事してたり色恋にうつつを抜かしてたりはしていたけど友達のためにひと肌脱いだりしてたのに、いつの間にそうなった?でもそんな闇落ちみたいな部分もステキ~(≧▽≦)みたいな感覚だったのですが。

ただそれだと作中の彼のすべての行動が上手く説明できなくて、まぁそれは計画を遂行するための方便とか相手を言いくるめるための詭弁みたいに解釈したりもしてたんですけど、正直好きだ好きだとは言ってもキャラ自体はイマイチ把握できていなかったんですよね。

それが中文版読んだらそれまでバラバラに存在していた彼という「キャラ」を示す点と点が一気に一つの線として繋がったんですよ。私利私欲じゃねーじゃん。いや私欲もあるけれどそれだけじゃねーじゃん!これまでと同様友達のこと大切に思ってるよ!って。

多分彼は、1部から3部まで一貫して、自分の持てるものすべてを最大限活用して友達のために動く、という一見秘密主義でそっけなくて冷たいけれど、意外とアツいキャラなんじゃないかと思います。

あと、以前どこかのブログ(確か史実…というか中・近世ヨーロッパの思想に詳しい方のところだったと思いますが)のダル物レビューで、「アラミスはアトスやフーケと同じく王権神授説の信奉者」みたいな紹介のされ方されてて、「え?そうかなぁ?」って当初は思ったのですが、中文版読んだ後はなんかすっごくそれに賛同できるようになったんですよね。

11巻でアラミスはフーケ様に「双生児は二つの身体を持った一つの人間であり、フランス王室の王権を等しく継承する権利がある」って言ってたけど、これって3巻でアトスがラウルに言ってた「国王と王権は区別して考えなければならず、どちらに仕えるべきか迷ったら王権を選ばなければならない」に通じると思うんだよね。「今の国王」はあなたのことを心底嫌っていてコルベールを重用しているから仕えることはできないし仕える価値もない、だから同じく王権を宿す「もう一人の国王」に仕えようではありませんか、的な。

最初はね、これってフーケ様に納得してもらうための詭弁だと思ってたんですけど、どうやら本人ガチでそう思ってるっぽいということに気づいて以降、なんかアラミスすっげぇ可愛いなって思うようになったんですよね。腹黒いくせになんて理想的な考え持ってんだよ、みたいなw

それ以来、なんでフーケ様に言っちゃったのかとか、ずっと一緒にいたポルトスには言えなかったのに、なぜアトスには素直に話せたのか、っていうのがちょっと分かったような気がするんだよね。

フーケ様に計画のことペラペラ喋っちゃったのは、それがフーケ様のためにやったからってこともあるんだろうけど、きっと同じ思想の持ち主だから分かり合えると思っていたからなんだろうね、とか。

アトスに話せたのは、アトスも同じ思想を共有しているから、(是非はともかくとして理屈として)分かってくれるだろうって思いもあったからなんだろうなぁ…とか。

このほかにも、2部で困窮しているアンリエット英王妃の姿を目の当たりにしてプリプリ怒っていたり、イギリスにまで行っちゃったのは、本当にアトスと同じ理由によるものだったんだろうなぁ…とか。

そういう風に思える箇所を具体的に挙げろと言われるとちょっと困るんですけど、強いて言うならここかなぁ…。5巻16章後半でアラミスがアトスの意見に同調するシーン。ここ読んで、「あ、アラミスってアトスと同じ側の人間だったんだ…」って思ったんだよね。

以前「アラミスって2部ではなぜかアトスに対してだけ大人しいよね」って意見読んだことあるんだけど、「アトスに対して大人しい」というよりは、アトスとは同じ価値観を共有しているから反発する余地がなかっただけなんじゃないかなって思います。

同じ価値観持っているのに彼がアトスのようにならなかったのは不思議といえば不思議だけど、その辺は単純に「生まれの違い」かなぁ。アトスは大貴族の跡取り息子として生まれたわけで、生まれながらにして身分と名誉を手にしていたわけだけれど、アラミスは努力しなければ手に入れることができなかったっていう。そういえば年(巻数)を経るにつれその辺の違いがどんどん顕著になっていく気がするんだよね。何もしないアトスと何でもやっちゃうアラミス、みたいな(笑)。

結局のところアラミスって、ダルタニャンのように「実利」は重んじるけど、でもアトスのような「理想主義的な考え」も持っているという…中文ダル物スレに「アラミスが魅力的なのは彼がアトスとダルタニャンの両方の特徴を備えているから」っていう意見があったけれど、まさしくその通りなんじゃないかなぁと思います。


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