アラミスが変わった理由（わけ）

まぁぶっちゃけ「コンスタンスが助かった可能性」の続きみたいなものです。平たく言うと、「小説の方にこの辺の考察含めたものを盛り込みたいんだけど、どの程度入るか分からないからやっちゃおう」のコーナー（笑）。
 
いつにも増して強引な考察のような気もしなくはないですが（汗）、 それでもいいよという方は右下の「続きを読む」からどうぞ。


拍手、ありがとうございました！！

原作２巻３７章「結び」で、銃士隊副隊長の辞令を持ってきたダルにアラミスが言うセリフ「せっかくだが、俺はこの間の一件以来、つくづくこんな生活が嫌になった。今度こそきっぱり腹を決めたよ。この包囲戦が終わったら、ラザール会の修道院に入るつもりだ」

コレ、彼が世俗を捨てる理由としては弱いような気がするのは私だけ…？

うーん…「弱い」というとちょっと語弊があるかな。「それって建て前じゃないの？」って言った方がしっくりくるかもしれない。

だってさ、今までも世俗を捨てるだの修道院に戻るだの言ってたけど、口に出してたのはいつも建て前だったじゃん？周りは「ああ、恋人から手紙が来てないんだなー」って分かってはいるけど、本人は抽象的なことしか言ってないっていうか。

で、これ（↑）も結構抽象的な気がするんですよ。まぁ話の流れ的に目の前でコンスタンスが殺されたことを指すんだろうなーとは思うんだけど、最近（というかここ数年）ふと、「コンスタンスってアラミスにとってそこまで大きな存在だったっけ？」って思ってね…。

まぁ「目の前で罪のない女が殺されたのが耐えられなかった」と受け止めればいいのかもしれないけれど、２部でのダルの回想やアラミス自身が語ったところ（３部含む）によると、出家した後もサロンに出入りしたり決闘したり、陰謀に手を染めたりしているようなので、少なくとも「罪のない女が陰謀や復讐で殺されるような世界に嫌気がさした」というのは違うような気がするんだよね。

恋人の手紙一つで出家の決意を翻していた彼が本気で出家する気になったので、「つくづくこんな生活が嫌になった」というのは本当だとは思うんだけど、じゃあ「この間の一件」に起因する「こんな生活が嫌になった」大元の原因ってなんだろう？

私、「コンスタンスが助かった可能性」で「この時点ではコンスタンスの具合が何だか知らないけどすごく悪いってだけで毒盛られたことには誰も気づいてない」って書いたけど、実はアラミスはあの時、コンスタンスに毒が盛られたことに気付いてたんじゃないかと思う。

っていうか、２部以降の目ざとさが当時からあったなら絶対気づいてるはずだよね？前にもどこかに書いたけど、当時の修道院っていうのは今でいう所の最高学府みたいな部分もあったので、修道院育ちの彼が毒盛られた時の症状とはどんなものか、とか「毒盛られた時の応急処置として水を飲ませる」という知識を持っていたとしてもおかしくはないと思うし…。

恐らく彼は、助けられる可能性はあったのに、アトスの形相に気圧されて立ちすくんでしまった事を恥じたんじゃないだろうか？

彼が本当に距離を置きたかったのは、「世俗」ではなくむしろ「仲間たち」だったのでは？

一応当時から、枢機卿になるだのローマ法王になりたいだのいう野心はあったみたいだし。仲間同士のなれあいで持ってる知識や行動力を制限してしまうようじゃダメだ！もっと毅然とした態度で臨まないと…一旦彼らとは距離を置いて、もう一度修錬し直さなきゃ！みたいに思ったんだと思う。

１部ではアトスに対しては割と素直で、愛しのマリー・ミションからの手紙が目の前で食されても何のリアクションもなかった彼が、２部では（最終的にはアトスの言うことを聞きつつも）ハッキリとアトスに物を言うようになっていたのが全てを物語ってるように思うんだよね。

目的のためなら容赦なく友達相手にもウソをつくようになったこととかも…ね。

よく「お前１部と２部の間に何があった」なんて言われるアラミスだけど、実は「１部ラストの時点で『何か』は起こっていたんじゃないかなぁ」と最近思うようになったのでした。